五感力とは、視覚や嗅覚などの五感の能力を高める事が目的である。
私達、ヒトは視覚優位の生き物であり、80%以上もの外的情報を脳に送っている。
しかし、現代人は、視覚優位の感覚から、他の感覚が疎かにされている。
よって、嗅覚、聴覚、味覚、触覚などの感覚器官が退化し、自己の危険回避能力、集中力や洞察力などの能力も同様に低下している。
特に、子供達や若者達にはコミュニケーション能力が欠如しており、ヒトとの会話も携帯電話やメール、インターネットが中心に行なわれている。
だから、小学生の子供達でも同様に傾聴力が特に欠如している。
傾聴力とは、ヒトの話に耳を傾け、聞き入る能力のことである。
この傾聴力の低下は、言葉の表現力の低下に繋がり、自分の思いを相手に上手く伝えられず、イライラしたり、ヒトとのコミュニケーション能力の低下に繋がるのです。
コミュニケーション能力の低下は、脳も疲れやすく、若くして脳も低下するのである。
脳生理学的に説明すると、ヒトの脳の前頭葉に「前頭眼窩野」という脳部があり、この脳部こそ、ヒトの脳の疲れと感じたときに活発に働くのである。
つまり、脳の疲れをコントロールしているのである。
ヒトの脳が集中していると1時間30分程度で疲れたと実感し、この前頭眼窩野が活発に働くことで、長時間同じ動作や集中して行えるのである。
この脳部は丁度、目の奥の辺りに位置し、左右二つある。この前頭眼窩野はヒトとの会話や相手の顔の表情を読み取ったり、コミュニケーションすることでこの脳部が鍛錬されるのである。
これら能力を鍛錬することが傾聴力なのである。
現在の子供達や若者達がこの能力が欠如しているので、脳が疲れやすく、集中力に欠け、言葉の表現力の乏しさなどに繋がっているのです。
聴覚だけでなく、味覚も同様に低下している。
朝食を抜く子供やお菓子でお腹を一杯にしたり、好きなものだけ食べる傾向や学校給食でも「ばっかり食べ傾向」ばっかり食べとは、最初にご飯だけ食べ、食べ終わったら、次におかずだけを食べ方である。
私達は、ご飯を少し食べたら、おかずも一緒に食べますが、ばっかり食べですと、口内調味という、酸っぱいおかずとご飯を一緒に食べることで中和されます。これらの口内調味によって、ご飯が美味しい、味覚の鍛錬になり、味覚も発達して行くのです。
また、味覚の低下は、同時に嗅覚も低下するのです。
これらは、五感の生理学的に説明しますと、私達がご飯を美味しいと感じるのは、食材の匂いが嗅覚を刺激し、唾液の分泌を促し、ご飯の吸収を助けるのです。
ですが、ばっかり食べでは、酸っぱいものや辛いものは少量しか食べられず、残してしまう、また、嫌いになります。これらから食べず嫌いの傾向が強くなるのです。
正しい、食事の仕方、食べ方など我々大人も教育する必要性を感じております。
これらの考え方から「食育」という言葉が生まれたのです。
私は、食育の関係から中学生や高校生に「未成年者の飲酒予防、喫煙予防」も呼びかけている。
これらは、すべて成長段階の子供達の身体や精神、脳までも悪影響を与えるからである。
触覚も現在の子供達の生活環境の中では、刺激されず、鍛錬されにくいのである。だから、危険なナイフの扱いかたも理解できず、手を簡単に切ったりするのである。
微妙な凹凸を感じることが出来ず、遊びもゲーム機や携帯電話のボタンを押すだけの触覚刺激である。
実は、私達の触覚(指先の感覚)刺激は、脳を刺激し、活性化するのに重要な感覚なのである。
「手や指は外に飛び出した脳、第二の脳」と言われる由縁である。
私共が以前に、大学の研究所で学生に協力して貰い、ヒトの触覚刺激の測定を行なったことがある。
実験は、同じ料理を箸を使って食べたときと、フォークとナイフを使って食べたときの脳の活動についての実験である。
同じ料理でもフォークとナイフで食べたときには、ヒトの脳はあまり刺激されず、触覚もあまり刺激されていない。
箸での食事の場合は、前頭葉と頭頂葉という、触覚を司る脳部が刺激されているのである。
これは、指先の細かな動きに関係しているからである。
フォークとナイフは、ただ、握っているだけであり、二本の箸を指で上手く動かして食べるからである。
被験者に後で聞いたら、同じ料理なのに箸で食べた方が美味しく感じたと答えたのである。
これらの事から、私は五感力を身につけることの重要性を多くの方々に提唱している。
五感力が低下し、欠如すると感覚だけでなく、脳の活性化や鍛錬にも深く変わっている。
現に、五感力の低下している子供達や若者達の多くでは、脳の認知にも異変が生じている。
風鈴の音色や秋の鳴き虫、野鳥の鳴き声などを「うざい」という言う表現をしているが、喧しく、うるさいのである。
だから、情緒や日本文化なども理解できず、感性、感受性にも乏しいのである。
これらの感覚のまま、子供達が大人に成長した時には五感力も低下し、脳の認知にも異変が生じているのである。
だから、私共は日本の学校関係に「五感教育の実施」「五感力を推進」している。
子供達だけでなく、我々大人でも同様に五感力が低下している。
視覚優位の感覚のため、賞味期限の問題、冷凍食品の農薬混入などの異変に気がつかず、見た目の感覚で信用し、安全と確認するのである。
便利過ぎた私達の生活環境の中で、益々、私達は五感力が問われ、重要性を強く感じております。
私共は研究を通じて、提唱、提言、警告、警鐘を鳴らしながら、今後とも五感力を今後とも提唱し続けて参ります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、
アーティクルリソース:http://articlejapan.com/
|